今年から、免税ショッピングが国内で人気となっている。10社以上のA株上場企業が、免税品経営資格を申請中と発表しており、場所は北京、上海、広州、武漢等に渉る。空港(又は国境検問所)の免税や離島免税以外に、市内免税店という業態に狙いを定めた企業が次々に現れている。
西安初の市内免税店がまもなく設立
先頃、西安市商務局が発表した情報によると、中国旅游集団中免股份有限公司と西安中大国際は、戦略的協力趣意書を締結した。双方は、西安初の市内免税店設立プロジェクトを計画している。
中国免税産業の代表的存在である中免集団(China Duty Free、CDF)は、世界でも免税店の種類が最も整い、単一国の小売店舗が最も多い免税店運営業者となっている。今回の、小売業と消費者に高い評判を持つ西安中大国際との市内免税店プロジェクトは、強みを相互補完でき、大きな可能性を秘めている。
近年、西安市の優れた商業基盤と豊富な観光資源、それに一連の優遇政策や整備されたビジネス環境に誘われ、国内外の有名企業が挙って、西安に投資している。西安は、豊富な業態と活発な市場を持つ、西北地区の中心的都市というだけでなく、国際的ブランドが集まり、貿易や交流が盛んで、商業経済の輸出志向がますます高まっている。
市内免税店の設立は、西安ひいては西北地方の消費の質向上や回流を推進し、西安の対外開放レベルを高め、国際的中心都市の建設を後押しすることになる。
免税ショッピングの成長の余地は1000億
西安の免税店は、今年の国内の免税ショッピング熱の縮図でもある。西安の前に、王府井集団、百聯股份、岭南控股、鄂武商A、大商股份、欧亜集団等の上場企業が次々と、関連官庁に免税品経営資格を申請したと発表しており、場所も北京、上海、広州、武漢、大連、長春等に渉る。このうち、王府井集団はすでに申請が承認され、今年7月に、登録資本金5億元の免税店経営子会社の設立計画を発表している。
免税ショッピングは何故、今年急に脚光を浴びたのか?専門家の分析によると、その背景には様々な要因があるという。
まず、免税ショッピング市場は、成長の余地が大きい。関連データを見ると、2018年、中国人が境外で購入した免税商品は1800億元を超える規模であり、八割以上が海外で発生している。今後、国内の市内免税店政策が施行されれば、海外消費の回流により、1000億元以上の市場が生まれるとみられる。中信建投証券(China Securities)のリサーチレポートは、2019年に500億元を超えた中国の免税市場規模は、2025年には1500億元を突破すると予測しており、成長の余地が大きい。
次に、国の政策による支援である。3月、国家発展改革委員会、商務部等23官庁は共同で、市内免税店政策を整備し、中国の特色ある市内免税店を建設すると発表した。また国境検問所の免税業務を拡大し、免税店を増やすこと、免税限度額や免税品の種類を適時調整すること等を打ち出している。
市内免税店が次のブルーオーシャンに
免税ショッピングというと、多くの人はまず、空港(国境検問所)や離島免税を思い浮かべる。特に海南に自由貿易港が建設されることになってから、離島免税政策は緩和方向へ進み、離島観光客の免税購入枠は一人当たり年間10万元に引き上げられた。海南省新聞弁公室が19日に行った記者会見によると、7月1日~8月18日、海南省の離島免税店4店の売上高は50億元を突破して、同期比2.5倍、一日平均売上高は1億元を超え、購入者数は74万人で同期比70%増、購入個数は458万個で同期比1.5倍だという。
離島免税政策は明らかに、複製・普及が難しい。一連の新たな動きから見て、多くの企業が狙いを定めているのは、市内免税店という業態である。
先頃、上海市静安区にある中国出国人員服務有限公司の上海免税店では、化粧品や日用品カウンターの前に多くの人が群がり、売り切れて空になった棚や、レジに長い列ができている様子が見られた。
同上海免税店のスタッフによると、コロナの影響で、多くの人が過去半年間、海外に行けていないため、本来は購入資格として180日以内に出入境記録があることが条件であったが、これを段階的に緩めたという。また、同店が毎年8月に開催するキャンペーンを7月に前倒しし、期間を延長した上、ディスカウント幅も大きくし、同種商品の価格はどれも、デパートに比べ2~3割安くなっている。
上海市消費者権益保護委員会の副秘書長・唐健盛氏は、一般のデパートに比べ、市内免税店は、商品の関税・増値税・消費税が免税され、価格競争力がある上、空港の免税店に比べ、出かけやすく、滞在時間が長く、免税品の種類が豊富等の特性がある、と分析する。
「2019年の時点で、ロッテを代表とする市内免税店の売上高は、韓国の免税収入全体の約80%を占めていた」と、国泰君安証券のレポートは指摘する。現在、中国の免税ショッピングの主流は、中免集団(CDF)と日上免税行(Sunrise Duty Free)を代表とする空港(国境検問所)免税店であり、市内免税店は次のブルーオーシャンになるとみられる。
新華社等より
参照元:https://news.ishaanxi.com/c/2020/0820/1797172.shtml
(翻訳の際に、内容が多少編集されていることがあります)