
もうすぐ植樹節、木を植えたいけれど、会社や学校でそういう活動はない、どうしよう?と思ったあなた。オンラインで予約できるのである!2017年、「中国植樹ボランティア」オンラインプラットフォームの運営がスタートした。現在は、北京・内モンゴル・安徽・陝西・湖北等10省(区・市)が「インターネット+植樹ボランティア」の試行地となっており、インターネット上で各々の省級「植樹ボランティア」プラットフォームを開設している。
植樹ボランティアとインターネットが結びついたことで、植樹ボランティアへの参加方法が豊富になり、多くの人が参加するようになった。
「さっき見たらまだ100本くらい残っていたのに、おしゃべりしていたらなくなった、うちの子は早く申し込んでいてよかったわ!」2月22日午前、武漢市に住む魏文芳さんは、息子が送ってきた申込手続完了のスクリーンショットを見て喜んだ。
彼女の言う「100本」とは、微信(WeChat)の公式アカウント「武漢植樹ボランティア」における、植樹ボランティア参加申込の定員残数である。この日、湖北省武漢市園林&林業局と、武漢市緑化委員会弁公室が、今年の植樹ボランティア活動日程を正式に発表した。午前9時より、武漢市民の植樹活動予約受付が開始し、植樹ボランティア活動場所21ヶ所は、市内15地区(機能区)に分布している。オンライン申込がスタートして2時間もたたないうちに、武昌区の植樹ボランティア数は定員に達し、その後、江漢区、洪山区、江岸区等6区でも次々と満員になった。
ウェブサイトか微信(WeChat)で申込可能、証明書も紙から電子へ
魏文芳さんの家には、やや黄ばんだ古い写真がある。20年前に、一家三人が武漢市江漢区京漢大道でスズカケノキの苗を植えた時に撮った写真である。この時、息子はまだ5歳だった。今や、彼は25歳の青年である。当時植えた苗も、大きな街路樹に生長した。
彼女の話によると、1999年に、武漢電視台(テレビ局)と旧・武漢市園林局が共同開催する「樹を育てて、緑を広げる」という植樹ボランティア活動をTVで知り、申込の電話をかけて、家族で植樹ボランティアに参加して以来、ずっと続けているという。
近年、武漢は植樹ボランティアへの参加を社会に広く呼びかけ、「植樹+慈善、環境保護、誕生日、家庭、公益」等をテーマにした活動を開催して、「共青林」、「尽責林」、「人才林」等の記念林を作っている。
武漢市緑化委員会弁公室の職員・劉愛氏の説明によると、以前はラジオやTV、新聞等で、植樹ボランティア活動の宣伝を行い、市民は申込と苗木代金の支払のためにわざわざ出向く必要があったが、今では、武漢の植樹ボランティアサイトや微信(WeChat)の公式アカウントを通じて申し込むことができ、苗木は無料であるという。植樹ボランティア活動証明書も、紙から電子へと変わった。
「植樹は季節的な活動であるとはいえ、植樹ボランティアは毎年『植樹節』の頃だけに集中してはいけません、常態的に行われるようにならなければ。」と武漢市緑化委員会弁公室主任の方義氏は言う。2014年、武漢は植樹ボランティア常態化のためのプラットフォームを設立し、「植樹ボランティア」、「緑色武漢」等のコーナーを設け、植樹ボランティアの計画策定、植樹場所探し、樹種の紹介、植樹技術と手順、保育等について、全方向的な宣伝・紹介を行った。
オンラインプラットフォームの便利さにより、市民は植樹活動をいっそう熱心に行うようになった。「昨年、オンラインでの植樹参加申込者数は5万人を超え、最高記録を更新しました。」と劉愛氏は言う。
2018年3月、武漢は全国「インターネット+植樹ボランティア」第二群試行都市に認定された。この年の5月22日、武漢「衆森家園」プロジェクトが実施され、多くの市民がオンラインで寄付を行った。「これは、実地での植樹ボランティアに参加する時間がない人が、植樹活動に携わるための一つの方法です。」劉愛氏は言う。これらの寄付金は、中国緑化基金会の口座に直接振り込まれ、武漢の緑化建設のために使われる。
オフライン活動により、植樹への熱意を高める
「近年、都市周辺で、植樹ボランティアに使用できる土地は減ってきており、適した場所はほとんどが、遠くて交通の便が悪い地域にあります、大規模な植樹ボランティア活動はコストが高くつき、活着率が低いので、現実的ではありません。」陝西省緑化委員会弁公室の職員・王晋峰氏は言う。だがインターネットでの植樹ボランティアの登場は、こうした問題に解決策を与えた。
植樹ボランティア公式サイト「全民義務植樹網」を開くと、「造林緑化」、「保育管理」、「自然保護」等、八つの内容が設けられている。「自分で植樹に行けない場合は、『ネットで参加』をクリックすれば、社会的責任を果たせます。」王晋峰氏は言う。
一年間の植樹(他の貢献の換算を含む)が合計3本になると、その年の植樹責任を果たしたことになり、審査の上、植樹ボランティア公式サイトで植樹ボランティア活動証明書を取得・印刷でき、6本を超えると、国土緑化栄誉証書を申請できる。
植樹ボランティア公式サイトのトップページでは、各地で立ち上げられたプロジェクトを見ることができる。王晋峰氏によると、陝西省が2017年12月18日に立ち上げた「パンダのために竹を植える」というプロジェクトには、寄付金64万元が集まり、3500枚もの活動証明書を発行したという。このプロジェクトは、陝西省楼観台の国有生態実験林場が策定し、林場周辺の竹栽培拠点でパンダの好きな竹を2000ムー(約133ヘクタール)栽培するというものである。2024年以降、年間1ムー当たり200kgの竹をパンダに供給できると見込まれている。「このプロジェクトは今年、計画実施段階に入り、プロジェクトの資金は中国緑化基金会の厳しい監督の下で使用されます。」と王晋峰氏は語る。
陝西省にある各市は、自らの特性を活かして様々なプロジェクトを立ち上げており、渭南市の「韓城范家庄緑化プロジェクト」もそのうちの一つである。
昨年3月、韓城市の複数の部門が共同で「母親河畔・小樹与我同成長」ファミリー植樹ボランティア活動を開催し、同市から200家族以上が集まって、植樹ボランティア活動に参加した。
「あの時、私たち職員はPCとプリンターを会場に運び、参加者のために植樹ボランティア活動証明書を印刷して渡しました。河畔は電波が届かず、携帯電話のデータ通信を使いました。」韓城市緑化委員会弁公室の職員・王暁鵬氏は言う。「子どもたちは証明書をもらってとても喜び、親たちの多くは証明書の写真をSNSにアップしていました。」また、微信(WeChat)を通じて「インターネット+植樹ボランティア」の活動者リストを発表すると、参加者は急速に増え、わずか一ヶ月の間に延べ5000人以上が参加して、約15万元が集まった。
「その後、この15万元を使い、市の資金約20万元と合わせて、范家庄の緑化を行いました。この一年間の管理で、生育状況は安定しています。」王暁鵬氏は語る。
今年の植樹節がまもなくやって来る。韓城は工業園区が多いため、韓城市緑化委員会が今年策定したプロジェクトは、こうした工業園区の清掃・緑化である。
「インターネットを通じて植樹ボランティア活動を展開するには、スローガンの宣伝だけで終わるのではなく、様々なオフラインイベントを企画して、市民に参加してもらわなければならないことが、実際にやってみてわかりました。プロジェクトは現実に則したものでなければなりません、そうでないと、新鮮なのは最初の数日だけで、長続きしません。」王暁鵬氏は言う。
「一樹一証一コード」、植えるだけでなく保育も
武漢市最大の城中湖公園——武昌区沙湖公園C区に広がるカイドウの低木林は、あまり人目を引かないが、よく見ると、一本一本の木に名札プレートが掛けられており、そこには樹名、担当者、担当方式、管轄区、日時等が記され、専用QRコードもついている。スマホでQRコードを読み取ると、樹木番号、植樹者、場所、樹種等が、すぐ画面に表示される。
昨年より、武漢は「インターネット+植樹ボランティア」の情報システムとデータベースを構築し、オンラインとオフラインを結び付けて、市民が植樹ボランティアの活動方式を自分で選べるようにすると共に、「一人一樹一証一コード」システムを推進し、植樹活動者・樹木・場所等の情報を記載した植樹ボランティア活動電子証明書を発行している。また日時・区域・樹種等のキーワードに基づいて、個々の木にQRコードを作成し、植樹の名札プレートに記載している。
「このコードは身分証明書番号のようなもので、樹名、樹齢、木の特性、生育状況等が組み込まれています。」劉愛氏によると、番号は日時・区域の規則により生成され、この数字には植樹情報が正確に記載されているだけでなく、今後の全国生態環境データの統合に対応でき、一本一本の苗木が武漢の「緑の地図」にきちんと配置されるようになっているという。
現在、武漢は「植樹ボランティア」のデータを信用スコアとリンクさせた「緑色信用システム」の構築に着手している。昨年10月、武漢は微信(WeChat)のミニプログラム「緑鏈森林」を正式にスタートさせた。植樹を行った後、このミニプログラムを開くと、スマホの位置情報や測定機能を使って、その場で植樹登録を済ませることができる。植樹登録が完了したら、植樹者は、植樹の位置や、樹高・樹冠幅・幹径等を調べることができ、自分の植えた木をいつでもフォローアップできる。
「木を植えることで、生態系に貢献するだけでなく、市民が満足感をもっと得られるような方法を、考えているところです。」と方義氏は言う。植樹活動や木の生長により、植樹者は炭素クレジットを獲得できるようにする、例えばメタセコイアを一本育てると炭素クレジット10点、イチョウを一本育てると37点という具合である。この点数を取引に使用できれば、実質的な利益になる。
現在、微信(WeChat)のミニプログラム「緑鏈森林」は、武漢園博園(園林博覧公園)や戴家湖公園等でこの点数制を試行しており、植樹やその他の環境貢献活動に参加して獲得した炭素クレジットを、園博園の入場券又は花や植物等と交換できる。方義氏によると、より多くの市民の植樹ボランティア参加を奨励し、環境への取り組みを促すため、この「インターネット+植樹ボランティア」の新方式は今年、全市に広められることになっているという。
参照元:http://news.xiancn.com/content/2019-02/26/content_3426639.htm
(翻訳の際に、内容が多少編集されていることがあります)