「一帯一路」西北篇丨インフラ・商業・物流が発展、各種リソースが内陸の最先端化を後押し

「一帯一路」西北篇丨インフラ・商業・物流が発展、各種リソースが内陸の最先端化を後押し

過去一年における中国各地の「一帯一路」建設関連の重要な施策を示し、各地が自身の発展特性に基づいて作り上げた特色ある建設手段を紹介するため、「中国一帯一路網」は、2018年に各地が推進した「一帯一路」建設の成果を、一連の文章にまとめた。

「内陸が最先端になる」という言葉が、この地域の「一帯一路」建設を真に反映している。陝西省は、政策の出だしが好調、インフラはこれからだが、科学技術レベルが高い。新疆ウイグル自治区は、中核区で主に物流関連の施策を行い、産業パーク建設が経済発展を後押ししている。甘粛省は、「産能合作(生産能力提携)」方式を伸展させた。青海省は、貿易モデルの転換を図り、単一製品の「中欧班列(国際定期貨物列車)」が最も多い省となっている。寧夏回族自治区は、アラブ諸国と手広く提携し、産業パークのインフラ建設が始まった。

1陝西:一歩先を行く政策、相互連結が進む

政策・インフラ・科学技術提携が、陝西の2018年の注目点である。

陝西は、「2018年行動計画」を制定したほか、『標準聯通共建「一帯一路」行動計画(2018-2020年)』も発表し、西安「一帯一路」総合改革開放試験区の設立を承認した。2018年、陝西省の輸出入総額は3513億8000万人民元で、伸び率は全国で三位である。うち、西安発の国際定期貨物列車「長安号」の輸送額は通年で17億2000万USドルと、2017年の8.7倍になった。

▲西安新築駅から発車する、ドイツ・ハンブルク行きの国際定期貨物列車「中欧班列」X8001便(3月7日撮影)。(出典:新華社)

地理的な強みを活かした、鉄道・航空等の「互聯互通(相互連結)」建設がさらに進んだ。2018年の、西安発の国際定期貨物列車「長安号」の運行便数は計1235便で、2017年の6.37倍となり、運送した貨物は120万2000トン、輸送額は17億2000万USドルであった。積載率・輸送量・実際運行数の3指標は全国一位を保持し、輸出元は2017年の21省から29省に、輸出先は2017年の5省から26省に増えて、中国全土をおおむね網羅している。2018年は、サンクトペテルブルグ、ロンドン、ラングーン、マカオ、マドリード、マンダレー、ロサンゼルス等、航空旅客便7路線が新たに就航し、国際航空路線は現在、世界29ヶ国、53都市に向けた合計64路線が就航している。国際観光客到着数は延べ260万人以上で、伸び幅は32%、増加率は全国10大空港のトップである。国際提携産業パークの建設が進み、「両国双パーク」方式が広がった。「中露シルクロードイノベーションパーク」の中国側パークが2018年4月にオープンしたが、これは国家戦略級パークである。陝西省富平県の「中国・カザフスタン友好リンゴ園」一期工事が完了した。これ以外に、リンゴ栽培園は陝西省の9ヶ所で建設が予定されており、カザフスタンにも1ヶ所ある。

科学技術分野の提携が強化された。2018年3月、陝西省は、「一帯一路」農業国際提携区の建設を打ち出した「一号文件」を発表した。現在、楊凌区「一帯一路」職業農業訓練センターが、世界60ヶ国以上と現代農業の分野で提携関係を結んでいる。

2甘粛:「能合作」はクラスター式パークの提携へ

シルクロード経済ベルトの「黄金段(ゴールデンセグメント)」が、「一帯一路」建設における甘粛のポジショニングである。開放通路の建設は、「一帯一路」建設の要である。2018年2月、甘粛省は「陸海新通道」を建設する「三年行動計画」を発表し、蘭州が天津と共同で「内陸無水港」を建設することになっている。7月、甘粛省初の「中欧班列(国際定期貨物列車)」復路便が蘭州に到着した。年初には、鉄道・海上の複合輸送ルート「中新陸海新通道」の初の復路便が出発し、年末には通常運営を実現した。

▲空から見たジャマイカ・アルパートのアルミナ工場。(出典:新華社)

「国際産能合作」は、単一のプロジェクト提携や企業提携から、集約式、クラスター式パークの多元的な提携に変わった。ジャマイカ・アルパートのアルミナ工場は、中国とジャマイカの初の「国際産能合作」プロジェクトであり、2017年6月に生産を再開した後、投資を強化し、アルミナ年間生産能力200万トンという目標に向かって進んでいる。2018年2月、双方はジャマイカ・甘粛国際化産業パークを共同建設する協定を締結し、9月に実現可能性討論会議を開催した。インドネシアWP&RKA・金川集団のニッケル鉱プロジェクトは、国家発展改革委員会の中国-インドネシア「一帯一路」政府間「国際産能合作」の重点プロジェクトであり、2018年10月の発電所煙突(高さ150m)の最終部分の完成は、発電所建設の大きな進展を示している。

3青海:貿易構造の転換で競争上の優位性が向上

貿易構造の転換が新たな段階へ進み、競争上の優位性が向上した。2016年より現在まで、青海省は、単一製品の「中欧班列」5便と「南向通道」の開通により、中国で単一製品の「中欧班列」運行が最も多い省になっている。2013年9月から現在までの新規外商投資プロジェクトは50件、投資総額は16億9300万USドル、契約による利用外資は5億3900万USドルであり、うち、新たに承認された中外合資プロジェクトは23件で、契約による利用外資は1億6200万USドル、新たに承認された外商独資プロジェクトは26件で、契約による利用外資は3億7600万USドル、新たに承認された中外提携プロジェクトは1件で、契約による利用外資は400万USドルとなっている。

展示会が大きな成功を収め、チベット絨毯展のブランド効果がさらに拡大した。2018年は、チベット絨毯展が開催されて15年目であり、34の国と地域の企業242社が出展し、国外出展者の比率が60%に上った。国外から出展したのは主に「一帯一路」周辺国の企業であり、出展した国は前回より25.9%、出展企業は26.7%増加した。今回、チベット絨毯展は、「一帯一路」経済提携や絨毯産業の「緑色発展(環境に配慮した発展)」に関する座談会が以前より増えて、同座談会の合意が形成され、貿易提携の重要な場となっている。

文化交流で大きな成果を挙げた。青海省はタンザニア中国文化センターと一年間提携して、タンザニアで各種展示イベントやセミナーを何度も行い、青海省の各民族の歴史・文化や優れた芸術作品を展示し、中華文化と青海独自の文化を世界に向けて発信した。2018年には、20以上の国と地域から留学生約190名を受け入れており、その50%以上は「一帯一路」周辺国からの留学生である。また、「大美青海」をスローガンとした観光プロモーションを数多く行い、1-11月の国外からの観光客数は延べ68507人、観光収益は3809万3300 USドルとなった。

4寧夏:アラブ諸国との提携を重点に

国際貿易交流の場である「中国-アラブ諸国博覧会」から、「中国-オマーン(ドゥクム)産業パーク」の建設主導まで、寧夏の対外提携は大きく進んだ。

中国初の内陸開放型経済実験区として、寧夏は周辺62ヶ国と貿易を行っており、2018年の寧夏の貿易総額は249億2000万元、うち「一帯一路」周辺国との貿易額は73億4000万元で、全体の29.5%を占める。

アラブ諸国において中国が投資建設する最大の産業パーク——「中国-オマーン(ドゥクム)産業パーク」は、基礎構築の一年後、2018年4月にインフラ建設がスタートした。これ以外に、寧夏はアラブ5ヶ国に技術移転サブセンターを次々と設け、アラブ首長国連邦、オマーン、クウェート等、約10ヶ国に先進技術の移転や装備の輸出を行って、技術モデル基地や共同イノベーションラボラトリーを設立している。

5新疆:商業・物流で現状打破、インフラや「産能合作」に動き

古代シルクロードの都・新疆は、2018年、商業・物流の中心地を突破口に、インフラ建設と「産能合作」を重点として、「シルクロード経済ベルト」中核区建設を推進し、大きな進展を得た。

▲国際定期貨物列車「中欧班列」のウルムチ集結センター(出典:新華社)

2018年、中核区における商業・物流の中心地の重要なエンジンであるウルムチ国際陸港区は、企業24社を新たに誘致し、資本導入額は17億6300万元、輸出入額は7億5000万USドルとなった。「中欧班列」集結センターの拡張工事は一期が竣工し、肉類の輸入業務を行っている。自動車・穀物・種苗等の指定口岸(通関地)はインフラ建設が進み、申請資料は提出済みである。「鉄道口岸商務商貿区」、「国際宅配集散センター」等のプロジェクトも進んでいる。同年4月、ウルムチ・カシュガル・コルガス・阿拉山口を含む新疆の重要8都市が共同で、「シルクロード国際陸港連盟」を設立した。これは新疆の陸港体系を構築し、「一帯一路」の「大陸港」を建設するものである。

インフラの相互連結の面では、新疆の「中欧班列」は2018年の運行が1002便に達し、2016、2017年の合計を超えた。東は、中国内地を出発した便が4日でウルムチ集結センターに到着し、西は、ウルムチの貨物が8日でロシアに、19日でイタリアに到着する。運行路線は中欧・中央アジア24地域を網羅し、輸送コストは、カザフスタンのアルマトイまで1コンテナ約9000元だったのが、3400元まで減り、約60%減少した。商品の種類は20種から200種以上に増え、石油化工、機械設備、紡績品、衣類、雑貨、建材等、多岐に渉る。墨玉-和田-洛浦高速道路プロジェクトが完成した。カラマイ~チョチェク鉄道のテミルタム~チョチェクセグメント、ゴルムド~コルラ鉄道(新疆セグメント)等のプロジェクトは建設が進んでいる。グルジャ、アクス空港の改築・拡張工事が開始し、ウルムチ空港改築・拡張プロジェクトの実現可能性調査報告書は国の承認を得た。

2018年、新疆の企業の国外投資プロジェクトは計10件、中国側の投資額は8億6000万USドルに上り、「十三五(第13次5ヵ年計画)」の最初の二年の国外における中国側投資額の60%を超えた。投資先産業は、エネルギー、医療、建材、家具製造等で、投資先の国はタジキスタン、ドイツ、アルゼンチン等、及び「一帯一路」周辺国である。国外の経済提携区は大きく育っている。6月、「タジキスタン農業紡績産業パーク」プロジェクトは試運転が始まった。「グルジア華凌工業パーク」は企業442社が入居し、華凌集団はグルジア最大の外資企業となっている。

参照元:http://www.sanqin.com/2019/0301/409201.shtml
(翻訳の際に、内容が多少編集されていることがあります)

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